読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー」(高橋秀実著)

こんばんは。

今日は高橋秀実さんによる「「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー」という本についてです。

開成高校というと、毎年東京大学に多数の合格者を輩出している超進学校です。本書は、その野球部が独特のセオリーをベースに甲子園を目指す過程を描いたノンフィクションとなっています。

僕は草野球チームに入っていますが、あまり強くありません。巷には元プロ野球選手が書いた技術書がたくさんありますが、ある意味、ウチのような弱いチームにはこの本で語られる開成高校野球部の考え方が、視点を変えるのに役立つのではないかと思いました。

開成高校野球部ではグラウンドでの練習は週に1日しかできません。毎日、グラウンドで練習しているチームに比べれば、練習量は絶対的に不足します。だから、同じ練習をしていても、王道の戦い方をしても試合には勝てないとし、「ドサクサにまぎれて勝つ」ことを追求しています。

大前提として、野球は9イニングの合計点で勝敗を決しますが、開成高校では9イニングを見据えた戦術は一切考えていません。一気に大量得点を取って、コールドゲーム(一定の点差がつくと、9回を待たずして試合終了となります)にすることを狙います。だから、とにかく打撃重視ということになります。

また、野球にはサインプレーが付き物ですが、開成高校ではサインプレーが馴染まないし、それを練習する時間もないため、サインプレーはしません。すべて自己判断でプレーします。走者は先の塁をどんどん狙います。

このように、ある意味「セオリー通りにしない」のが開成高校野球部のセオリーになっています。

本文中にはたくさんの野球部員が登場しますが、そこは開成高校の生徒さん、その発言もどこか普通の高校球児とは違っていて、野球を哲学的に捉えていたり、求道者のような考えで練習していたり、違う意味で度肝を抜かれます。不器用だけど純粋、頭ではわかっているけど行動にできない…こういった二面性が垣間見えて、とても面白かったてす。ランナー1塁からヒットを打って3塁を狙うときの、ランナーと3塁ランナーコーチの練習のくだりは思わず吹き出してしまいました…(^^;)

開成高校野球部がこのスタイルに至ったのは、監督の考えに拠るところが大きいのですが、監督の叱咤激励が禅問答のようになっているところもありながら、核心を突いているところもあって、部員はそれに納得しているんです。多くの人が接するのと同じように野球に接してきた僕は、本書を読んでいて、不思議な感覚にとらわれました。

僕にはとても面白い本でしたが、たぶん読む人を選ぶ本ではないかと思います。