読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「フリーズする脳」(築山節著)

こんばんは。

最近、バタバタしており、久しぶりの投稿となります。

今日は脳神経外科医の築山節さんによる「フリーズする脳」という本についてまとめます。

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)

 

結構古い本なので、認知能力に問題のある状態のことを「ボケる」と表記しているなど、少し誤解を招きそうなところもありますが、内容はいたってまともな本です。

普段バリバリ仕事をしている人でも、その環境であったり内容が偏った状態にあると、脳の使い方にも偏りが出てしまい、知らぬ間にボケてしまうことに著者の築山さんは警鐘を鳴らしています。

10個ほどの事例をベースに、脳にとって危険な状態と生活で気をつけなければならないことがまとめられていますが、「これって自分も当てはまるかも…」という事例が多くの方に見つかると思います。それほど今の生活環境は脳をボケやすくする要素に満ちているということです。

複数の事例で取り上げられているのは、インターネットの問題です。本書が出版されて10年以上経った今、スマートフォンがごく一般的なツールになり、インターネットはさらに身近なものとなりました。

本書の例を挙げると、思い出す力が弱まっていることを問題視していますが、これはそもそも思い出そうとする機会が減ったことが大きな原因です。つまり、昔なら覚えておかないといけないことをメモしておいたり、それも難しければ、様々な要素と結びつけて物事を覚えておこうとしました(店の名前なら、「誰と、いつ会ったときの店か」「その店のおいしかったメニュー」など)。しかし、今ではインターネットで検索すれば、瞬時に、しかも非常に整理された状態でその店のことが表示されます。

脳は基本的に楽をしようとする性質があるため、しなくてよいことはだんだんしなくなります。そして、思い出すことが面倒くさくなって、しまいには思い出すこと自体しなくなる。このような悪循環にハマってしまうと、ボケた状態に向かっていきます。

また、コミュニケーションについてもオンラインが当たり前になっていて、業種によっては、勤務時間中ずっとパソコンの画面を見ていなければならないような方もたくさんいるでしょう。そういった方の場合は、注意を向ける焦点が固定され、知らぬ間に不意の状況に対応できなくなってしまっている可能性があります。タイトルにもなっている「フリーズ」の状態です。

こういうケースでは、目を動かす機会が減っているそうで、散歩をするなどして遠近感・立体感を感じたり、それと同時に五感を働かせるようにするとよいとしています。

また、対面しての会話は非常に高度な脳の機能を使います。対面しての会話の場合、ただ相手の言葉を聴いて返答するだけでなく、そこには相手の表情を見て感情を読み取ったり、シチュエーションに適した会話になるよう配慮するなどの要素が絡んでくるからです。このように考えると、普段何気なくしていることも、脳にとってはとても意味のあることなのだと理解できます。

一応断っておくと、著者の築山さんはインターネットのすべて、現代の働き方のすべてを否定しているわけではありません。脳にとってバランスのとれた状態を維持するため、本書で解説されていることに十分気をつけて欲しいと言っているのです。ちなみに、解説は説教臭くなく、とてもわかりやすいものとなっています。

「何となくぼんやりする瞬間がある」「慣れない状況で固まってしまう」など、日々の生活で不安に感じる方がおられたら、一度読んでみてはいかがでしょうか?