読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「上達の法則」(岡本浩一著)

こんにちは。

とにかく毎日暑いですですね…午前中にお墓参りに行き、お盆はこれでゆっくりできそうです。

今日は、社会心理学者である岡本浩一さんの「上達の法則」という本についてです。

 

上達の法則 効率のよい努力を科学する (PHP新書)

上達の法則 効率のよい努力を科学する (PHP新書)

 

 この本では、どんな物事でも上達させるのには共通の方法があるため、そこをおさえて効率よく上達させましょうということが述べられています。たまにいる「何をやらせても上手な人」というのは、一度、ある物事を一定以上のレベルに上達させた経験を活かし、そのときの方法を(本人の自覚の有無を問わず)また別の物事に活かしているものです。

本書で頻繁に出てくるワードに、「スキーマ」というものがあります。認知心理学で多用される概念ですが、もともと「枠組み」を意味する言葉です。物事を上達させた人にはこのスキーマがよりよく形成されています。

駐車場での車庫入れなどは代表的な例です。免許を取り立てのうちは、停車位置や周囲との距離感など、一つひとつのことを気にしながら行うものです。慣れないうちは、駐車場が変わるとその都度同じことに気を配らなければなりません。しかし、回数を重ねるうちに、例えば自宅の駐車場では一連の動きとしてスムーズに駐車できるようになり、最終的にはどこの駐車場でもそれなりに駐車できるようになります。その過程では、最初は一つひとつの細かなことで形成されていたスキーマが、大きな枠組みとなっていきます。つまり、スキーマがよりよく形成されれば、それだけ他に気を配れる範囲が広がることになり、どんどん上達していくのです。

記憶との関連も指摘されています。人間が一度に覚えられるまとまりは7項目ほどと言われます。駐車の話で言うなら、停車位置や運転操作など基本的なことで記憶できる範囲の全部が埋まってしまっていた状態が、スキーマが形成されることで記憶できる範囲をより少なく済ませることができるようになる。そのため、より高度な技術を身につけられるとしています。

では、どのようにスキーマを作っていくのか。著者の岡本さんは、上達させたい物事の中で、自分の得意なものにこだわってみることを方法のひとつとして勧めています。僕は将棋が好きでよくネットでも指しています。将棋の戦法は大きく居飛車振り飛車に分かれますが、僕は居飛車の方が得意です(といっても、決して強くはありませんが…)。だったら、その居飛車に特化して、さらに言うなら、居飛車の中でも特に好きな戦法にこだわってみる。そうすることで、その戦法に対する自信というか、自負というものを身につけます。自分を深く関わらせることで、上達させていくのです。

他にも、上達法として、ノートをとること、概論書から理論書を読むこと、イメージ能力を高めることなどが書かれています。将棋や囲碁、テニス、文章など、岡本さんの得意分野や経験をもとに具体的に書かれているので、上達させたい対象を問わず参考になるかと思います。ちなみに僕も、将棋を上達させるため、勝負どころや反省点をごく簡単にまとめた対局ノートをつけたり、定跡書を読むことを始めました!

個人的に、本書の魅力は上級者の特徴をうまく言語化しているところにあると思っています。「あ~、確かに将棋教室で強いあの人はそんな特徴あるなぁ」というのがたくさん出てきます。それを読むだけでも、物事が上達した先の世界に触れられる気がします。そして、そんな世界にたどりつけるのだとしたら、「もっとうまくなりたい!」と思うこと請け合いです!!