読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「人口減少と社会保障」(山崎史郎著)その2

おはようございます。

最近、本を読むペース、学習するペースが落ちているなぁと実感しています。年度かわりの時期は仕方ないのかもしれませんが、もう少し頑張らないとと思っています。

今日は「人口減少と社会保障」(山崎史郎著)の続きで、第2章をまとめます。

 

 第2章では、「日本の社会保障の光と影」というタイトルで、日本の社会保障の制度体系が中心になっています。大きく「社会保険方式」と「税方式」に分かれる社会保障制度。前者は保険料として集めたお金の使い道が決められており、後者の場合は税として集めたお金の使い方を審議の上で決めます。日本はこのうち、社会保険制度を中心とした制度体系にすることを選びました。それぞれについて本書に定義がまとめられていたので、以下に引用しておきます。

  • 社会保険方式…「人々が、「保険事故」に備えて「保険料」を出し合い、保険事故に遭った場合にはお金やサービスといった「保険給付」を受け取る」(本書p64より引用)
  • 税方式…「国などが徴収する租税のみを財源として、支援の必要な人々に給付を行う仕組み」(本書p64より引用)

社会保険方式の例は介護保険などがあります。介護保険の場合は、介護を要する状態になることが「保険事故」であり、そのために40歳以上の人は介護保険料を出し、介護を要する状態になったときに介護保険サービスを受けることになります。一方、生活保護などが税方式の例となります。

日本が社会保険方式中心の制度体系を選ぶのに影響を与えたのは、社会保障制度審議会の1950年勧告でした。そこで、「自立」と「社会連帯」を軸としたものが望ましいと示されたのです。つまり、自分の責任で自分の生活を守るために必要な費用を支払うのがあるべき姿で、社会保険でカバーできない人を救済するのが税による扶助だということです。

ただし、現在は縦割りの制度体系となっており、どの制度でも対象とならない制度の狭間にある人の問題、子育て支援分野の立ち遅れなどを著者の山崎さんは指摘しています。

次に、社会保障制度を考える上でもう一つの軸となるのが、「国民皆保険・皆年金制度」です。この制度は二元的構造をしていて、被用者に対するものとそうでないものに分けて考える必要がありました。被用者に対しては、健康保険や厚生年金保険でカバーし、非被用者は国民健康保険国民年金でカバーします。この国民皆保険・皆年金制度は、実は終身雇用制度などのシステムが下支えしてきました。企業が従業員の健康面などの面倒を見て、それに対して従業員は最後までその企業で勤めあげる。それが普通だったからこそ維持できていた制度だったのです。ところが、「その1」の記事でも書いたように、さまざまな要因が絡み合って、システムが変容してきました。例えば、非正規雇用の人は、(人件費抑制などの観点から)企業に雇われる身でありながら、職域保険に加入できない場合もあり、こうした人が国民健康保険に流れ込んでくるといった動きがありました。

では、今後何が最大の課題になるのかというと、支えあいの構造が変わることです。支えあいには「世代間」の支えあいと「世代内」の支えあいがあります。ここまでお読みくださった方ならわかると思いますが、これまでは「世代間」の支えあいが中心のシステムでうまくいっていたのに、生産年齢人口が減ることになるとそれが難しくなります。実際には、それを見越した調整システムがあるのですが(詳しくは本書をお読みください)、それでも追いつかないおそれがあります。だから、これからは「世代内」の支えあいに頼らなければならなくなり、それが昨今の生涯現役などの動きにつながっていくのです。

 

次回は第3章についてまとめます。内容によっては、第4章もあわせるかもしれません。