読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「イチロー・インタヴューズ」(石田雄太著)

こんにちは!

今日は石田雄太さんによる「イチロー・インタヴューズ」という本をご紹介します。

 

イチロー・インタヴューズ (文春新書)
 

 

先日、3月21日に現役引退を発表したイチロー選手の、過去のインタビュー記事を集めた本となっています。メジャー移籍後から第2回WBC優勝の間のものです。

数々のインタビューを読んでいて思ったのは、字面だけ見たら突き放したように聞こえる言葉も、その裏側に隠された背景、想いなどを知ると、聞こえ方は180度変わること。メジャーで超一流の仲間入りをしても、それまでと変わることなく毎日周到な準備をし、ヒットを積み重ねきたイチローにしか出せない深みがあります。研ぎ澄まされた感覚を、小難しい言葉を使わずに表現する姿は、「話す」というよりも「紡ぎ出す」という言い方が正しいような気がします。

毎年のように200本安打を続け、もはや200本安打は当然のようにファンには映っていたかもしれませんが、イチローの内心では毎年シーズンの安打が170本を超える頃からものすごいプレッシャーを感じていたそうです。「記録が途切れる=積み重ねたものがゼロになる」ということで、そこに恐怖を感じていたのです。その恐怖感が打席での感覚のズレ(「身体ではなく目でボールを見ようとしてしまう」と表現していました)を生じさせ、結果も悪くなるという負のスパイラルにハマる様子が窺えました。

それでもヒットを打ち続けることができたのは、毎日、入念な準備を怠らなかったからです。本書にはイチローがなぜ人並み外れたレベルで準備を大切にしてきたかが書かれていました。それは、「自分に言い訳する余地を無くすため」です。イチローでも結果が出ない時期が続くときがあります。自分の中で準備が100%できているという自負がなければ、「相手の調子が良かったから」とか「運が悪かったから」といったところに結果が出ない原因を求めることができてしまう。それがイチローには許せないのです。

かねてから首位打者を獲るよりもヒットを積み重ねることを重要視していたイチローですが、2007年シーズンは意識して首位打者を狙いました。それは、自分の理想とするバッティングができるようになったからで、そこでようやく「自分」ではなく「他者」を意識するようになりました。しかし、同年、最終的に首位打者を獲ることはできませんでした。首位打者になるのが不可能と悟った打席の後、守備位置についたイチローは涙を流したそうです。最終打率.351に終わった結果を「完敗」と表現したイチロー…もはや次元が違いますね…

本書はインタビュー記事を集めたものなので、時期を同じくするものでは、時々同じ内容の話が出てきます。しかし、イチロー自身の言葉が中心の内容で、余計な解釈はないので、その考え方に触れたい方には読んでみて欲しい本です。

国民栄誉賞を三たび辞退したイチロー。今後、どのように野球界に影響を与えていくのか、興味深いです!