読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「虎のスコアラーが教える「プロ」の野球観戦術」(三宅博著)

こんばんは。

クリスマスイブですね~。でも、僕は例年通り、実家で両親とともに過ごしました。穏やかではあるものの、若干の寂しさを感じます(^^;)

今日は阪神タイガースの元チーフスコアラーで、北京五輪のときの星野ジャパンのスコアラーでもあった三宅博さんによる「虎のスコアラーが教える「プロ」の野球観戦術」という本をご紹介します。

 

虎のスコアラーが教える「プロ」の野球観戦術 (祥伝社黄金文庫)
 

「虎の」という言葉がタイトルにつくと、何となく内容に重みを感じにくくなるというか、信頼できる中身なのか?と疑ってしまう人がいるかもしれません。でも、内容はすごく真面目なものです。

随所に実際の投球チャートが出てきて、そこから見えてくる投手や捕手と打者の特性、配球の妙などがスコアラー目線で語られています。阪神に関する記述が多めではありますが、阪神に対してはむしろ辛口で、他球団の選手にも公平な視点で捉えている印象を受けました。

面白かったのが、スコアをつけるにあたって、逆球(捕手がミットを構えたところとは逆のコースに投手が投げること)のときや捕手からのサインに投手が首を振ったときなどもしっかり残しているところでした。特に、投手が首を振った後に投げる球に、投手の特徴が出やすいということです。

首を振る動作にもいろいろあって、単純に捕手からのサインに納得がてきず、他に投げたい球があるからそうするときもあれば、投手側が何となくイヤな予感を感じていることもあります。また、相手を幻惑させるため、わざと首を振らせることもあると聞いたことがあります。実際、どういう理由でサインに対して首を振ったのかはバッテリーにしかわからない世界なのですが、スコアをつけて観察を積み重ねていくと、はっきりと傾向が出てくるそうです。

サインに対する首振りはひとつの例ですが、野球観戦をするときにスコアをつけて分析していくと、まるでプロ野球の試合が謎解きのようになって、その楽しみがいっそう増すというのが本書で三宅さんが伝えたい内容となります。

一方、スコアラーとしての経験をベースに、数年後のプロ野球界を予測している箇所もいくつかあります。

例えば、本書が出版されたのは5年前ですが、その時点で筒香嘉智選手が日本を代表する打者になっているかもしれないと三宅さんはスコアラー目線で予測していました。実際はみなさんご存知の通りで、筒香選手は現在、侍ジャパンのクリーンアップの常連となっていますね!ちなみに、筒香選手の他には日本ハムに移籍した大田泰示選手(当時は巨人にいました)、広島の堂林翔太選手を候補に挙げていました。

また、日本ハム斎藤佑樹投手にも触れられていますが、活躍するのは厳しいのではないかと指摘していました。三宅さんの理由は、内角攻めができないからというものてした。大学時代の斎藤投手は外角の出し入れだけで打者を抑えられたため、その投球スタイルが染みついてしまっており、その延長として内角を思い切ってつけないのではないかということです。斎藤投手は現在もなかなか結果が出ず、苦しんでいる印象ですね。

まとめると、野球をいろいろな角度から捉え、広い視野で見るための勉強になる本でした。自分なりの視点を見つけられたら、若手の頃から注目した選手が日本を代表する選手になったとき、「自分は若手の頃から注目してたんだ!」と言えることがあるかもしれませんね!!