読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「継投論」(権藤博・二宮清純著)

おはようございます。

今日は権藤博さんと二宮清純さんによる「継投論」という本についてです。

権藤さんは元プロ野球選手で、2017年WBCの投手コーチを務めた方です。一方、二宮清純さんはスポーツジャーナリストとして、野球に限らずさまざまなスポーツに対して造詣の深い方です。本書は主に、二宮さんが権藤さんにインタビュー形式で継投について迫る内容になっています。

もう「継投論」というタイトルだけで即購入!でしたが(笑)、結論から言うと、内容もすごく面白かったです!

権藤さんは、1961年にプロ野球選手となり、1年目と2年目に30勝以上をあげた投手です。「権藤、権藤、雨、権藤」という言葉が代名詞になるほど、先発、リリーフ関係なく、それは毎日のように登板していたようです。一方、実はたくさん勝てたのはこの2年だけで、3年目以降は肩を壊してしまい、あまり活躍できなかったという辛い経験の持ち主でもあります。

今でこそ、先発、中継ぎ、抑えという役割分業制が当たり前になっていますが、権藤さんはかなり早い段階から分業制にすべきと考えていて、先発完投型を否定しています。そして、横浜の監督時代には、大魔神こと抑えの佐々木投手を中心に、継投策を駆使してチームを優勝に導きました。分業制を推す理由が興味深くて、「(継投で勝った方が)みんなが幸せになれるから」でした。

先発が完投して勝てば、その喜びにあずかれるのは(投手では)その先発投手だけです。しかし、継投がうまくいって勝てれば、登板したすべての投手が喜びに浸れます。みんなで喜べることで、チームとしても勢いがつきます。また、監督やコーチの立場からすれば、継投策で勝つのは醍醐味でもあります(ちなみに権藤さんの理想は「3対2」で勝つ野球です。すごく深い!)。

では、ただ継投策をとればいいのかというとそうではなくて、「打たれる前にピッチャーを代える」「中継ぎやリリーフがイニングをまたいで投げることはさせない」「フォアボールを出す勇気を持たせる」など、さまざまなことに気を配らなければなりません。

・打たれる前に代える

時折、「打たれるのも勉強」ということで、期待の若手投手など、打たれてもそのまま投げ続けさせる場面を見かけます。しかし、権藤さんはこの考えを否定しています。やはり打たれたら傷つく。抑えたら自信がつく。だから、打たれてからではなくて、打たれる前に代えるべきとしています。

・イニングまたぎは危険

ピンチの場面等で急遽イニングの途中から登板させ、さまざまな事情から次のイニングも投げさせることを「イニングまたぎ」と俗に言います。しかし、やはりいったんマウンドを降りてベンチに戻ったところで、テンションは下がってしまうそうです。また、味方の攻撃がすぐに終わるとしても、約10分ほどはベンチにいることになります。その間に余計なことを考えてしまうそうです。

・四球を出す勇気

四球について、否定的な意見を持つ人がほとんどです。しかし、権藤さんは、もし勝負どころで四球を怖がってストライクを取りに行ったボールを痛打されたら、それこそ取り返しがつかない。一方、四球を出したところで、ランナーが一人増えるだけなのだから、次の打者を抑えればいいという考えでした。こう考えると、野球観戦するときの見方も少し変わってきそうですね。四球を与えたとき、単に狙ったところにボールがいかなかっただけなのか、チームとしてその打者を警戒していたのかによって、その四球の意味が変わってきます。そこを予測しながら見るのも面白そうですね!

全体を通して、権藤さんの考えがはっきりとしていて、対話形式であることとも相まって、一気に読めました。プロ野球ファンには是非とも読んでほしい一冊です!!