読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「認知症 専門医が教える最新事情」(伊東大介著)

こんばんは!

台風21号が猛威を振るっています。僕が住む大阪はすでにピークが過ぎましたが、日中は雨風ともものすごい状況でした。北日本にお住まいの方は不安な夜を過ごすことになると思いますが、じゅうぶんに気をつけてください。

今日は慶應義塾大学医学部専任講師で、日本認知症学会専門医でもある伊東大介さんによる「認知症 専門医が教える最新事情」という本についてです。

認知症 専門医が教える最新事情 (講談社+α新書)

認知症 専門医が教える最新事情 (講談社+α新書)

 

僕は普段、高齢者の総合相談窓口で勤めており、「家族のもの忘れが増えて…」などということで相談に来られる人をよく目にします。認知症について最低限の知識はありましたが、今一度、確認の意味も込めて本書を手に取りました。

結論から言うと、認知症についての基礎知識がバランスよくまとめられていました。ここでいう「バランスよく」には2つの意味があって、ひとつは難易度のことです。

世間の人が持つイメージは、「認知症アルツハイマー病」というのが一般的だと思います。しかし、実際には脳血管性認知症レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類があります。それぞれの種類で、症状や望ましい対応法はかなり違っているのですが、本書では一般的な人が知識として知っておきたい程度の内容が、しっかり押さえられていると思います。ところどころで専門的な言葉も出てきますが、文章はとても読みやすかったです。

そして、もうひとつの「バランスよく」ですが、こちらは認知症の捉え方という意味です。中には過度に不安をあおるものだったり、過度に楽観的だったりするものもあります。しかし、本書はそのバランスがとても良いと僕は思いました。

認知症には適切に治療をすれば治るもの(例:脳髄膜炎)や手術をすれば治るもの(例:正常圧水頭症)も一部ありますが、多くは徐々に進行していくものです。しかし、根本的な治療薬はまだ開発されていません。進行していくにつれて、介護を必要とする度合いが増えたり、高齢者の一人暮らしが困難になってくるのですが、その辺りの経過も変に誇張することなく、良い意味で淡々と書かれている印象を持ちました。

この記事で認知症の詳細には触れないでおこうと思いますが、全体的な流れでいうと「プレクリニカル認知症」(認知症予備軍の予備軍)の段階での予防が大切になるということです。

認知症の人の脳にはゴミ(ベーターアミロイドというたんぱく質)がたまっていることが多いのですが、このゴミがたまり出して15~20年ほどで認知症を発症します。しかし、この段階ではすでに改善は難しいのです。つまり、40代からこのゴミをためないようにすることか最大の予防法となります。

その予防法として、5カ条が書かれていましたので、それを以下に抜粋しておきます。

第1条 1日30分程度の有酸素運動(ウォーキングなど)

第2条 中年期からの高血圧、高血糖脂質異常症の治療

第3条 バランスのとれた適切な食事

第4条 家族・友人との社会的接触や活動の維持

第5条 読書、ゲーム、音楽、コンピューター操作など知的活動を楽しむ

(以上、本書p145より抜粋)

表紙もいたってシンプルで、なかなか目立たない本だと思いますが、認知症についての正しい知識を得たいという方にはオススメしたいと思います!!