読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「野村ノート」(野村克也著)その1

おはようございます。

今回は、野村克也さんの「野村ノート」を取り上げます。今日はその1となります。

 

野村ノート (小学館文庫)

野村ノート (小学館文庫)

 

 選手としては三冠王の経験があり、監督としても日本一に3回導いた野村さんが、野球人生を送る中で得た監督としてのあり方や、原理原則についてまとめた本です。監督としての野村さんの代名詞は「ID野球」、つまり、データを駆使して戦術を考える野球ですが、さらにそのベースして「人づくり」をとても大切にしていたことが本書を読んでいるとよくわかります。

今、ふと思ったのですが、IDは“independent”(自立)とも解釈できるような気がします。原理原則を身につけることで、人として自立した選手がチームになって戦う野球。野村さん、この解釈どうですか?(笑)

…さて、話を本の内容に戻します。

野村さんの言うところの原理原則には2つあると考えられます。ひとつは野球というスポーツの原理原則、もうひとつは人間としての原理原則です。

・野球というスポーツの原理原則

まず、野球というスポーツの原理原則を知るためには、野球について深く理解しなければならないとしています。野村さんの言葉を借りれば、「野球博士でなければならない」ということです。本書では例として、プロ野球選手でも知らない人が多いルールが挙げられています。ルールの内容までは書きませんが、要はそういっためったに試合で出てこないシチュエーションについても、ルールを理解しておくことで、相手に対する優位性を持つことが大切だとしています。

野村さんの本では弱者が強者に勝つ方法がよく出てくるようですが、そのひとつが相手に対する優位性だと言えます。1990年代を代表するチームだった野村監督率いるヤクルトは、資金面では同じリーグの巨人などに比べると恵まれているとはいえませんでした。実際、巨人などはFAで各チームの主力選手をたくさん獲得し、ネームバリュー的にはとても敵わなかったと思います。それでもヤクルトが常に優勝争いできていたのは、「自分たちのやっている野球は先を行っている」という自信によるところが大きかったのです。

一方、野球には9つの守備ポジションがあり、1番から9番までの打順があります。そこにはそれぞれに求められる役割があり、それによって求められる適性も違います。当時のヤクルトは、派手さはあまりなかったですが、今思えばすごく攻守にバランスの良いメンバーだったと思います。つまり、適材適所だったわけですね!当時の巨人の場合は、1番から下位打者まで4番タイプの選手がズラッと並んでおり、重量感はものすごいものの、状況に応じたバッティングはあまりできていませんでした。だから、当時の野村監督からすれば、怖さは感じなかったのです。

先ほど、適性について書きましたが、投手も同じです。今でこそ先発・中継ぎ・抑えという分業制になっていますが、昔は先発完投型が主流でした(ちなみに野村さんも基本的には先発完投型で考える方です)。本書では江夏投手の事例で語られていますが、当時の野村監督がトレードで移籍してきた江夏投手をリリーフで起用しようとしました。それまでバリバリ先発で投げていた江夏投手に、先発完投が当たり前の時代にも関わらずリリーフ転向を薦めたのです。理由は江夏投手に血行障害があり、多い球数を投げられないという事情だったそうですが、「アメリカではすでに分業制になっている。いずれ日本もそうなるから」ということで説得し、リリーフに転向することになりました。

他にも、内角球論、打者のタイプとそれに基づく配球についてなど、野球にまつわる示唆に富んだ話が随所に出てきますので、野球が好きな人はぜひ一度読んでみてください!

少し長くなってきたので、人づくりや人間としての原理原則については、次回に書こうと思います。