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「頑固力」(岡田彰布著)

こんばんは。

今日は元阪神オリックスの監督である岡田彰布さんの「頑固力」という本についてです。

 

頑固力―ブレないリーダー哲学 (角川SSC新書)

頑固力―ブレないリーダー哲学 (角川SSC新書)

 

 岡田さんは、伝説のリリーフ陣、“JFK”(ジェフ・ウィリアムス藤川球児久保田智之)を構築し、2005年には監督として阪神セ・リーグ優勝に導きました。今でこそリリーフに強力な投手を3人用意するチームは珍しくありませんが、当時は「“JFK”が出てきたら終わり」と思わせる鉄壁ぶりで、相手からすれば「5回までが勝負」という状態でした。個人的には、プロ野球を変えた監督だと思っています。

退任して間もなく書かれたのがこの本ですが、「今も阪神の監督をしていたら、どんなチームになっていただろうなぁ」と思わされます。

例えば、スクイズについて。岡田監督は、スクイズのサインはめったに出しませんでした。理由は単純で、バッターにかかるプレッシャーが尋常でないから。また、自身の3塁ベースコーチの経験から、コーチがスクイズのサインを相手に見破られないように出すのも難しいという考えがあるようです。

また、代打起用にも岡田さんは細心の注意を払っていました。当時の代打の切り札であった桧山選手を例に出していましたが、試合の中で誰もが「ここは代打・桧山だ!」と思うポイントとなる場面でも、あえて別の選手を起用することがあったそうです。相手投手の力量や試合展開、桧山選手の状態などを考えて、「桧山選手でも打てない」と判断すれば、別の選手を起用する。代打の切り札はだいたいが1試合で1打席しかありません。その1打席で調子を狂わされることがあるのだと岡田さんは主張しています。つまり、打つから使うのではなく、打てるように使うんですね。

このように、当時の岡田監督は、常に最悪の状態を想定して試合運びをしていました。

そして、4番打者に対する考え。岡田さんは、監督当時、現在の阪神監督である金本選手を4番で使い続けました。理由は、単に打力があったからではなく、試合に出続ける強さを兼ね備えていたからです。連続試合出場記録を持つ金本さんですが、骨折したときも試合に出続け、痛みから両手で強振できず、片手でヒットを打つようなこともありました。それでも起用しないといけないような絶対的な強さが金本選手にはあった。こういったところが岡田さんにとっての理想の4番打者像になったわけですね。

さて、たまにテレビ中継の解説に登場する岡田さん。他の解説者と比べて非常に指摘が鋭い。監督の采配をバッサリ完全否定することも珍しくありません。そんな岡田さんに僕はいつかもう一度、阪神の監督をしてほしいと率直に思っています。

ここからは個人的な意見になります。岡田さんの前の阪神タイガース監督は、今は亡き星野仙一さんでした。星野さんと言えば、監督としてのカリスマ的要素が強い人でした。そんな星野さんの後任は、非常にやりづらかったのではないかと思っています。最近の監督にカリスマ性がないと言いたいのではなく、今のタイミングなら、岡田さんのやりたい野球、チームづくりが一からできるのではないでしょうか。また、選手の力をうまく引き出せれば、今でも阪神は優勝を狙えるチームだと僕は思っています。一番やりがいのあるタイミングだとも思うんです。

たとえワンパターンだと言われても、面白みがないと言われても、頑固力に基づいた采配を振るってくれるなら大歓迎です。そして何より、この本全体からもひしひしと伝わってきますが、岡田さんの阪神タイガースに対する愛情が“半端ない”んです!!