読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「知的複眼思考法」(苅谷剛彦著)

 おはようございます。

今日はオックスフォード大学教授である苅谷剛彦さんの「知的複眼思考法」という本についてです。

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

 

 だいぶ前にこの本は購入していたのですが、結構な分厚さに構えてしまい、読むことができないでいました。しかし、最近、仕事をしていてもっと「考える」ことが必要であることを痛感し、とうとう読むことにしました。

先に言っておくと、この本は380頁ほどのボリュームで、かつタイトルも何となく難しそうな印象を抱かせるかもしれませんが、想像以上に読みやすいです!本の読み方や文章の作り方、問いの立て方、思考法など、その本来辿るべき過程をできる限りかみ砕いて、学生にもわかるように文章化した結果、このような本になったという印象です。なので、まずは毛嫌いせずに読んでみることをオススメします。

内容についてですが、全編を貫くのは「表面だけで物事を捉えず、いろいろな視点で(=複眼で)考えてみましょう」ということです。

読書を例に考えてみます。自分が読むのは、当然のことながら著者が書いた目の前にある本です。しかし、その本は何度も推敲を重ねた末にできあがったものです。また、推敲段階の前にも、何度も書いては消し書いては消しを繰り返したことでしょう。本を読むときにはそういった過程があったことを忘れずに、もしかしたら目の前の本に書かれたものとは別の表現で伝えられる可能性もあったことにも想いを馳せて読むべきというのが苅谷さんの考えです。それを苅谷さんは「批判的に読む」ということで表現されています。

情報過多の時代だからか、速読がもてはやされているような印象があります。僕も「もっと本を速く読めるようになりたい」と思い、10万円ほど払ってフォトリーディングのセミナーを受けたことがあります(なお、僕にはフォトリーディングの手法は全く合いませんでした…)。速読できる人や巷にあふれる速読法を否定するつもりはまったくないですが、1冊の本を身体に染み渡らせるくらい理解したいのならば、やはり本書で書かれているような読み方で本と関わる必要があるのではないかと思いました。

今回の記事では主に第1章の「創造的読書で思考力を鍛える」を取り上げましたが、序章にはじまり、第4章の「複眼思考を身につける」まで、章ごとに記事を書けるくらい内容の濃い本です。第4章ではタイトルにもなっている「複眼思考」のしかたについて書かれています。次は「世界一やさしい問題解決の授業」(渡辺健介著)という本を読もうと思っているのですが、この本がロジカルシンキングなどの問題解決のノウハウそのものについて書かれているとするならば、本書はどうすればよりロジカルに思考を展開できるか、MECEで言うところの「抜けや漏れがなく要素を洗い出せるか」について書かれているということができます。

冒頭にも書きましたが、ボリュームの割には学生にも読みやすい文章ですし、学校では案外教えてくれない立論の方法などがぎっしりと詰まった本書は、必読と言ってもよいのではないでしょうか。