読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「「他人の目」が気になる人へ」(水島広子著)

こんにちは。

今回は水島広子さんによる「「他人の目」が気になる人へ」という本についてです。

 

 僕はときどき、「他人から『仕事をしていない』と思われていないだろうか?」「嫌われていないだろうか?」などと悩んでしまい、そこから深みにはまってしまうときがあります。その思考パターンから抜け出せなくなり、結果として仕事がしんどくなってしまったり、人を避けてしまいがちになるのです。実はここ2週間ほど、この状態でした。そんなときにこの本と出会い、何かのヒントを得たいと思い、読んでみました。

このスパイラルにはまっていくたびに救いを求めて、いろいろな人に相談することがあったのですが、それぞれが違うことを言うため、ますます混乱する状態でした。著者の水島さんは精神科医で、対人関係療法の第一人者ということですが、読んでみて思ったのは、「もっと早くこの本に出会いたかった」ということです。

他人の目が気になる原因として、水島さんは「プチ・トラウマ」を挙げていました。トラウマという言葉は比較的有名で、「命に関わるほどの衝撃的な体験」が関係するものなのですが、「プチ・トラウマ」は日常生活の中でネガティヴな評価を受けて傷つくことによってできるものです。

僕の場合も、これまでの人生を振り返ってみると、「プチ・トラウマ」に該当しそうなものがありました。それは、「体臭」のこと。中一の夏休みに今住んでいる市に引っ越してきたのですが、転校して、それまで言われたことがなかった「くさい」というクラスメイトからの言葉にひどく傷ついていました。面と向かって言われることも、わざと聴こえるようにコソコソ言われることもありました。そんなことがあってか、僕は中学校のとき、クラスメイトを「あだ名」で呼ぶことができなくなってしまいました。今思えば、「自分が話しかけたら相手はイヤな想いをするのではないか?」という気持ちだったんだと思います。

それは相手がその人の経験を踏まえて下した「その人の評価」であって、絶対的なものではありません。でも、それを自分は絶対的なものと捉えていました。高校に進むことで、体臭のことを言われることは減り、友人をあだ名で呼ぶことはできるようになりました。しかし、やはり自分で壁を作ってしまい、自己開示できないことには変化がありませんでした。30代後半を迎えた今でもやはりその辺りの不安はものすごく強くあります。

ここで大切になるのは、「あるがままの自分」を受け入れること。言葉にすると簡単ですね。しかし、これを「自信を持つこと」と捉えるとまたおかしな方向に向かうことになると水島さんは述べていました。自信を持つことにフォーカスを当てることは、結局「他人からの評価」に基づいた考え方になってしまいます。仮に自分が課題に感じていることを改善できたとします。しかし、改善した課題について、より優れた人を見つけたり、同じことを再び責められてしまうと、その自信は揺らいでしまいます。他人の評価に縛られないためには、「そんなニガテなこともあるのが自分」「そんな自分でもまぁ大丈夫だろう」と受け入れるのが大切です。

そして、もう一つ。「本当の意味で」相手のことを考えるということ。言い換えるならば、「目の前のリアルな相手に視線を移す」ということです。相手がどういう事情のある人なのかを知ることで、かえって他人の目を気にすることがなくなります。仮に相手が何かしらの評価をしてくる人だとしても、それは相手が「評価体質」の人なのかもしれないし、自信のなさからそういった評価をしているだけなのかもしれない。そういったところに目を向けるようにすればよいということです。

なにせ、人生のほとんど、30年近く僕が付き合ってきた考え方です。なかなかすぐに切り替えられるものではないでしょう。でも、「こういう考え方もあるよね」と知れただけでもものすごく収穫ですし、自分はそれでも何とかここまで生きてきたんだと認めてあげられそうです。タイトルを見て感じるところがあった方にはぜひとも読んでほしい本です。