読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「インターネットが壊した「こころ」と「言葉」」(森田幸孝著)

 おはようございます。

今日は森田幸孝さんの「インターネットが壊した「こころ」と「言葉」」という本についてです。ここのところ、コミュニケーションに関する積読本を多く読んでいるのですが、同じコミュニケーションでも少し違った角度からの本を読もうと思い、本書を手にとりました。

インターネットが壊した「こころ」と「言葉」 (幻冬舎ルネッサンス新書)

インターネットが壊した「こころ」と「言葉」 (幻冬舎ルネッサンス新書)

 

 著者の森田さんは、精神科病院認知症専門の病院、子どもの療育の分野での臨床経験を持つ精神科医の方です。もちろん、精神科医の視点からの記述が多いのですが、勉強量が豊富なのか、哲学的な側面からの解説もあり、FacebookをはじめとしたSNSの発展についてもページを割いて書かれています。

まず、SNSが発展していくうえでメインターゲットにしているのは、「個人」ではなく「ネットワーク」だということでした。SNSは“Social Networking Service”の略ですから、当然と言えば当然なのですが、広告収入を考える際、ネットワークを無数につくる中で、それに属する人の意見などからトレンドを把握・集約し、企業と結びつくことで収益を得ています。だから、ネットワークの中のひとりが抜けたとしても、SNS側としてはさしたる問題ではなく、ネットワークが重層化することに意義を見出しています。

そのSNSでは、個人の意見はなるべく短く述べることが求められます。Twitterなどは典型的な例ですよね。また、Facebookの「いいね!」のように、自分が意見を述べなくても、それと同じ意見が投稿されていれば、「いいね!」をクリックすることでネットワークにある意味で参加できていることにもなります。意見を短く述べるということは、より本質的なところを言葉にしなければなりません。これは、逆に言うと、その背景にある思想などは省略されるということです。だから、意見が偏りやすくなっているのだと著者の森田さんは述べています。ということで、SNSの拡大による、「長文が書けない(すなわち読めない)」「意見が偏る」などといった問題点が、コミュニケーション力の低下につながっているのだというのが本書のメインテーマでということになります。

インターネットによるメリットは大きいです。これは否定しようのない事実で、僕も毎日活用しています。「リテラシー」という言葉がありますが、これはメリットだけでなく、デメリットも含めた理解と捉えるべきだと思います。インターネットのデメリットでよく取り上げられるのは個人情報の問題ですが、もっと根っこの方で重大な問題が潜んでいることに目を向けなくてはなりません。

実は、本書を読みながら、「同じことが繰り返し書いてあるなぁ」という印象を持っていました。257ページある本ですが、「せめて200ページくらいにはできなかったのかなぁ…」そんなことも頭に浮かびました。でも、これこそが長文を読まなくなったことのひとつの弊害なのかもしれません。Aという意見についてA1とA2という理由が述べられていたとします。A1とA2は9割方同じ内容なのだけど、残りの1割で違う視点を加えている。これをA3、A4…と編み上げていって、ひとつのメッセージにしていったのが本書ではないかと、そんな気がしました。