読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「定年後」(楠木新著)

こんばんは。

今回は楠木新さんの「定年後」という本についてです。著者の楠木さんは、今年64歳になる方で、定年後もこういった執筆活動をされている方です。

 

定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書)

定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書)

 

僕は地域の高齢者がイキイキと暮らせるような仕組みを考えていく仕事をしています(介護保険制度では、「生活支援コーディネーター」と呼ばれる職種です)。僕自身はまだ30代後半なので、定年後の過ごし方については実体験はありません。しかし、それについてのベーシックな考え方は知っておかなければならず、ヒントを求めて本書を手に取りました。

 

いちばん「なるほどなぁ」と思ったのは、定年後に家にとじこもってしまう背景として、定年の前と後のギャップが大きすぎるということでした。そもそも「定年」という制度は、働く本人から見れば受動的なものです。60歳くらいなら、まだまだピンピンしてます。仕事柄、もっと上の年齢層の方と話すことも多いですが、みなさん本当にお元気です。「まだやれる!」と思っていても、定年制度の名のもとに、その日を境にパタッと毎日の通勤が必要なくなり、仕事に追われることもなくなります。

定年後に時間ができたとき、他に打ち込めるものがあれば良いのですが、日本人の働き方の特性から、それを予め見つけておくのは案外難しいようなのです。楠木さんは「隠居」(=主体的な意思に基づく)を制度として認めることを提唱していましたが、僕も賛成です。

 

楠木さんは定年前後のさまざまな人からの聞き取りの中から、定年後も充実した暮らしを送っているように映る人の特徴をいくつか挙げていました。

・義務や役割を持てる状況にあること

・若い世代に向けて発信できること

などです。確かに、ボランティアやサークル活動は今でも多数存在しますが、仕事の経験上、これらは結構女性社会。企業戦士だった男性が入りにくいのもよくわかります。問題意識としてはすでにありましたが、男性が気軽に参加できる活動や居場所について、これまで以上にしっかり考えていかなければならないと思いました。