読書記録 for me

読んだ本のまとめなどを書いていきます。

「人口減少と社会保障」(山崎史郎著)その1

おはようございます。

ここのところ忙しかったこともあり、ひさびさの月曜日以外の祝日で、ホッとしています。今日は好きなことをして過ごそうと思います。

今日は、山崎史郎さんによる「人口減少と社会保障」という本の序章から第1章までをまとめます。

 

 著者の山崎さんは、厚生労働省介護保険制度や生活困窮者自立支援事業の創設に尽力された方です。施策を立案してきた立場から、現在の人口減少と社会保障について述べています。

新しいカテゴリーで「生活支援コーディネーター活動記録」をつくることを前回の記事で書きました。生活支援コーディネーターそのものよりもまず、今の高齢者を取り巻く状況から知っておく必要があると思い、手に取った本です。

第1章までは、人口減少に至る経緯について、さまざまなデータをもとに語られています。人口減少の背景にあるのは大きく2つで、「家族の変化」と「雇用システムの変化」となります。

・家族の変化

産業が発達するとともに核家族化が進んできました。しかし、現在では核家族の典型であった「夫婦と未婚の子のみ世帯」は減少しています。また、「三世代以上世帯」も減少しています。逆に、「単身世帯」や「夫婦のみ世帯」、「ひとり親世帯」が増えてきました。なお、将来予測として、「単身世帯」は今後も増えることが予想されています。その大きな要因は高齢単身者が増加することになります。配偶者に先立たれたり、この後にも触れますが、そもそも結婚しない人が増えることが高齢単身者の増加につながると考えられるでしょう。

・雇用システムの変化

1991年のバブル経済崩壊や、2008年のリーマンショックによる経済の混乱により、非正規雇用が増加しました。人件費の抑制がその大きな目的なのですが、ここで大きな問題となるのが、非正規雇用者に対する社会保障によるセーフティネットの脆弱さになります。医療保険雇用保険などが正規雇用者に比べると十分に保障されているとは言えない状況です。これに就職氷河期が重なったことで、若壮年無業者やひきこもり、親同居未婚者が急増することになったのです。この2つの背景どうしも相互に影響していると言えるでしょう。

この2つの背景が合わさって、人口減少につながっていくのです。

・人口減少へ

経済面以外にもさまざまな要因はあるでしょうが、結果的に結婚する年齢がずれ込む晩婚化、そもそも結婚しない人が増える非婚化が進むことになりました。それはつまり、子どもの数が減少することに直結します。

ここで気を付けなければならないのが、かつて国は人口が増えることを憂いて、人口過剰論を唱えていた時期があったということです。今では移民の受け入れが大きな話題となっていますが、当時は日本国民が海外に移民することが検討されていたくらいです。国は以降、出生数と死亡数が等しい状態となる「静止人口」を目指しました。しかし、実際には国の予想を超えるペースで出生率は低下することになったのです。

第1次ベビーブーム、第2次ベビーブームという時期があったのを聞いたことがある方も多いと思います。戦後の復興によって、安心して子どもが生み育てられるようになり訪れた第1次ベビーブーム、そしてその時期に生まれた子どもが親になり、子どもを産む時期に訪れた第2次ベビーブームです。「では、第3次ベビーブームはどうなったの?」という話になるのですが、そこにここまでまとめてきた内容が絡んできて、思ったほどの出生数にはならなかったのです。

現在、待機児童対策など子育て支援策が執られています。もしかすると、今後、出生率も回復してくるかもしれません。しかし、子どもを産む女性の数自体が急激に減少する以上、出生率回復のペースと女性の数の減少ペースを考えあわせても、人口減少は避けられません。「では、社会保障はどうあるべきか?」が第2章以降で語られることになります。

カテゴリ「生活支援コーディネーターとしての思考記録」を追加します!

こんばんは。

僕は年度末で忙しくなっていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか??

今日はお知らせになります。

タイトルにもありますように、カテゴリを1つ追加することにします。内容は「生活支援コーディネーターとしての思考記録」です!

以前の記事で、僕が「生活支援コーディネーター」という事業を担当していることを書いたかもしれません。ざっくり言うと、「高齢者が住み慣れた地域で暮らしていくために必要な活動やサービスをつくる」お仕事になります。

でも、これだけでは具体的に何をしているのか、サッパリわからないと思います。社会的な認知もまだ非常に低いでしょう。かく言う僕自身、この仕事を始めて2年半近く経った今でも、生活支援コーディネーターのことが今ひとつ掴めていません。日々、悩んでいます…

そこで、非常にニッチな世界とはわかっていつつも、「日頃からもっとこの仕事について深く考えなければ!」と意識していたこともあり、ブログの場を借りて発信していこうと思いました。

すでに読者となってくださっている皆さんは、「そんなこと興味ないから、本の紹介をしてくれよ!」と思われるかもしれません。しかし、ブログタイトルを“for me”としているように、そもそも自分のために書いている要素が大きいため、周囲の声はあまり気にせず書いていこうと思います。

取り上げるのは、介護保険をはじめとする制度のこと、高齢者を取り巻く問題、生活支援コーディネーターの仕事などになります。たまにはグチをこぼすこともあるかもしれませんので、ご了承ください(笑)

正直、わざわざ「読んでください」とお願いするつもりはありません。何かのついで、またはヒマなときにご覧いただき、ちょっとでも支え合いや高齢者を取り巻く問題について関心を持ってもらえたら…そう願って書いていきます!

「〈わかりやすさ〉の勉強法」(池上彰著)

こんばんは!

今年は花粉がたくさん飛んでいます。花粉症はここ数年出ていませんでしたが、今は目がかゆくて大変です…

今日は池上彰さんの「〈わかりやすさ〉の勉強法」という本についてです。

 

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)

 

過去に2冊、池上さんの本をご紹介しましたが、少しずつ内容が重なっていました。本書の要点は以下の内容になると思います。

 

・自分がわかっていないことは何かを知って、それについて勉強する。

・勉強したことを他者に向けてわかりやすく説明できるようになるためには、日頃から「相手がわかりにくいと思うポイントがどこなのか」「そもそも○○の背景(理由、成り立ち、意味…etc)は何か」を強く意識するようにする。

・自分の専門分野について話すときは、ついつい自分の知識レベルを基準にして話してしまいがちなため、気をつける。

・逆に、自分が正確に理解できていないことを話すときは、「この件について今後議論になると思う」など、ありきたりな表現で逃げてしまうことにもなる(→つまり、本来なら「どういった議論になるか」まで説明しないと、わかりやすい説明とは言えない)。

 

クリアファイルを使った情報整理術や本の読み方なども紹介されていますが、どちらかと言うと「何を」「どこまで」「どのような意識で」勉強したらよいかという内容が多くて、具体的な“How”の部分は少なかったと思います。

僕個人としては「どこまで」「どのような意識で」のところが気になっていたので良かったのですが、いわゆる勉強法のハウツーを期待する方には物足りないかもしれません。

6月に控えた講義は、一般市民、しかもその多くは60歳以上の方が対象になります。内容は住民どうしの支え合いの活動についてなので、人口減少など高齢者を取り巻く状況や、支え合いの考え方など、「一般の市民が聴いてもわかりやすい」説明をする必要があります。参加してくださる方のために、まだまだ一生懸命勉強しようと思います!

「回復力」(畑村洋太郎著)

こんばんは。

今日も草野球の試合でしたが、試合は負け、僕自身もノーヒットでタイムリーエラーまでやらかしてしまい、散々でした…

気を取り直して(?)記事を書きます。

今日は東京大学名誉教授で工学博士の畑村洋太郎さんによる「回復力」という本について書きます。

 

回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

 

 僕はこれまでまったく知らなかったのですが、畑村さんは「失敗学」なるものを提唱しています。失敗とどう向き合うか、失敗を防ぐにはどうしたらよいか、失敗したときにどう対応すればよいかなどを研究しておられるようです。

まず興味深かったのが、「逃げる」ことや「人のせいにする」ことを必ずしも否定してしないことでした。そもそも失敗しない人はいないわけで、失敗したときにどう向き合うのかが大切になります。しかし、今でも失敗の責任を取る形で自らの命を絶つ事例がマスコミで報道されています。まずは生き続けるのが最優先であり、そのためには逃げたり人のせいにするのも仕方がないと畑村さんは述べています。失敗したとき、人は自分が思っている以上にたくさんのエネルギーを失います。この状態で失敗と正面から向き合うにはエネルギーが足りないし、仮に失敗と向き合うことを選んだとしても良い対応は難しいのです。まずはエネルギーが回復するのを待ち、できることを淡々とこなしていくしかないようです。

とは言え、失敗から逃げたり、人のせいにするのはの一時的な避難策でしかありません。どこかで失敗と向き合わなければならないときは訪れます。そこで大切になるのが、失敗を評価することになります。自分と他者で評価の傾向に違いがあり、自分では起こした失敗を過小評価し、逆に周りの人はその失敗を過大評価しがちだとのことです。そのため、失敗を評価をするときの絶対的な基準として、「お天道様に向かって堂々と話せるかどうか」というものを畑村さんは挙げていました。自分も他者も偏った評価をしがちなのだとしたら、絶対的なものを評価軸にした方がよいということで、「お天道様」という存在が出てくるわけです。

また、失敗を記録するのも有効とのことでした。自分はどんな失敗をし、そのとき何を考え、どういう判断を下し、どんな行動をとったかをまとめておくのです。目に見える形で残しておくと、頭の中だけで失敗について考えるよりも客観的に捉えることができます。また、記録を残しておくことで、次に失敗したときにも活かせます。

本書の後半で、失敗して落ち込んでしまった人にどう関わればよいかにも触れられています。これは畑村さん自身の経験から、失敗した人に「頑張れ」と励ますのはタブーであること、ただ話を聴くだけで失敗した人は楽になることもあることなどが紹介されています。この辺りは精神科医の人が言うのと同じですよね。

一方、組織の枠で見ると、人事にも十分な配慮が必要とのことでした。組織としての責任を示すため、左遷人事もやむを得ない場合が実際にはあります。しかし、単に左遷人事をしただけでは、組織がその人に失敗の責任を押しつけただけになります。今はまだこの段階にある場合が多いようですが、できればその人事を一時的なものにするとか、責任は会社として負うことを本人に表明しておくなどといった配慮があるのが望ましいということでした。

できることなら失敗はしたくありません。でも、どれだけ準備していても起きる可能性があるのが失敗です。「人は弱い」という事実を認めて、正しい失敗との付き合い方を身につけるのは、特に変化の激しい現代では、誰にも必要なことではないでしょうか。本書は優しい語り口でそれを教えてくれます。

「わかりやすく〈伝える〉技術」(池上彰著)

こんばんは。

今日は朝から草野球。2019年シーズンの開幕でした。同点のまま時間切れとなりましたが、抽選勝ちとなり、幸先のよいスタートとなりました!

今日は池上彰さんの「わかりやすく〈伝える〉技術」という本をご紹介します。

 

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)

 

先日このブログでも取り上げた「伝える力」と内容がかぶるところもあります。しかし、こちらの方が具体的かつ体系的にノウハウが書かれていると感じました。

以下、参考になったことをいくつか書きます。

・3の魔術

ポイントをまとめたり、構成を考えるときに、3つに分けると伝わりやすいということです。2つだと物足りない感じがして、4つ以上になると散漫になってしまうと池上さんは述べています。だから、プレゼンテーションにおいて、伝えたいポイントが4つ以上あるときも、3つに絞り込むか、4つあるポイントのいずれかをまとめられないか考えた方がよいということでした。3つにまとめる重要性は、大学教授の齋藤孝さんも何かの本で説いていたと思います。

・接続詞を使わないことを意識して文章を考える

これは「伝える力」にも出てきた内容です。僕も含めて、あまり考えることなく「そして」とか「そのため」といった接続詞を使いがちです。しかし、接続詞を使ってできあがった文章を読んでみると、案外、論理的でないものが多いそうてす。つまり、論理的でないことを、接続詞を使ってごまかしているわけです。論理構成のしっかりした文章を書こうとするなら、あえて接続詞を使わないようにすれば、自然と論理的な文章になるのだとしています。これは気づかなかった点で、とても勉強になりました。

・ノイズをなくす

池上さんの解説番組では図解がよく出てきますが、ただ図解すればよいというわけではありません。図解によって伝えたい内容がしっかりと受け手に伝わるように、余分なもの(ノイズ)をカットする事が大切です。本書では日本の学力調査の順位が下がった例が紹介されています。このとき、単に「日本の学力調査の順位が下がった」という事実だけを伝えたいなら、過去のデータと現在のデータが必要になりますが、データ上の他の国の順位や得点などは図に載せる必要はありません。これらを載せることで、余計な情報まで入ってしまい、伝えたいポイントがぼやけるのです。

もう一つ、物事の順序を図解するときも、初めからすべてのプロセスをオープンにするのではなく、プロセスごとに順番にオープンしていくのがよいということてす。ワイドショーで使われるフリップの「めくり」の手法ですね!

以上、参考になったことも3つにしてみました。その結果、わかりやすい内容になっていたかはわかりませんが…。とにかく、日頃から人に何かを伝える機会のある方、特にプレゼンテーションや講演をする方には、コンパクトながら非常によくまとまった本だと思います。僕も6月に、数は多くないものの、市民さんの前で1時間ほどしゃべる機会がありそうなので、本書の内容を活かして、少しずつ準備していきます!